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【人、瞬間(ひととき)】あの舞台 女優・浅野温子さん(47)(上) (1/2ページ)

2008.4.1 08:04
このニュースのトピックス舞台
「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)

今やらなかったら…

 「いま経験しておかないと、肉体的にも精神的にもできなくなるよ」

 脚本・演出家、福田陽一郎の一言で、初めて舞台を踏むことを決意した。この時、37歳。ドラマデビューしてから20年が過ぎていた。舞台出演の話は何本もあったものの、映像の仕事が引きも切らず、タイミングを失っていた。

 「舞台はいつでもできると思っていましたけど、その言葉を聞いて、『今やらなかったら後悔するかも』と思って…」

 作品は福田の訳・演出による「ロマンチック・コメディ」(バーナード・スレイド作)。愛し合いながらもすれ違う男女を描いたラブコメディー。ヒロインのフィービーを演じた。

 「映像は表情やアクションで説明します。でも、舞台は心情を言葉にする量が圧倒的に多い。セリフの多さと長さに面食らいました。間違えても撮り直しできないし、アクシデントはミスでしかない。初めてカメラの前に立ったときよりも緊張しました。比べものにならないぐらい」

                   ◇

 初日。舞台袖でそわそわしていた。怖い。とにかく早く始まってほしい。ところが舞台監督が伝えにきた。「5分遅れます」。客入れの都合らしい。少しすると「あと3分、待ってください」。

 緊張のあまり、思わず叫んだ。「ダメ、待てない。これ以上遅れたら私、出ちゃうよ」。もう少しで本当に飛び出してしまうところだった、と笑う。「幕開きは私の出番じゃなかったんですけどね」

 いよいよ本番。頭の中が白くなりそうな瞬間は何度か訪れたものの、初日と2日目は無事に終了。だが、3日目の夜公演で、完全にセリフが飛んでしまった。

 ふと気づくと、なぜか舞台の上から客席を見回していた。隅から隅までじーっと。とりあえず何か言わなくては…。

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「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)
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