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故市川崑監督の幻の映画「その木戸を通って」公開へ (1/2ページ)
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2月13日に肺炎のため死去した日本映画界の名匠、市川崑監督(享年92)の“未公開映画”の存在が29日、明らかになった。平成5年に撮影、同7年にハイビジョン実験チャンネルで放送された「その木戸を通って」。この日は、お別れの会が東京都世田谷区の東宝スタジオ第9ステージで行われ、同作に主演した俳優の中井貴一(46)をはじめ、吉永小百合(63)、石坂浩二(66)ら約850人が参列した。
「その木戸を通って」は当時、国策として進められ、NHKと民放各局が取り組んでいたハイビジョン実用化試験放送(BS−9ch)でオンエアする作品として撮影された。
フジ制作のハイビジョンドラマの体裁だったが、市川監督の意識は“映画”。事実、ハイビジョンから35ミリフィルムに変換し、1993年ベネチア国際映画祭の特別招待作品、94年のロッテルダム国際映画祭批評家選出部門に出品された。
だが、国内では平成7年3月26日午後7時から、たった1度放送されたのみ。しかも実験チャンネルだったため、どれほどの人が見たかは定かでない。後日、劇場で上映する予定だったが、担当プロデューサーの異動やフジ社屋の台場移転が重なり、タイミングを逃してしまった。
昨年秋、偶然、同作の存在を知った関係者が、「公にするべき」と企画を練り始め、11月に市川監督に知らせたところ、監督は「うれしい。ぜひとも劇場でかけてほしい」と語ったという。
「その−」は山本周五郎原作。記憶喪失の娘、ふさ(浅野ゆう子)と彼女と結婚した正四郎(中井)の不可思議な物語。市川監督がハイビジョンという当時の最新技術に果敢に挑戦した記念碑的な作品だ。
















