ニュース: エンタメ RSS feed
【洋画】「コントロール」 カリスマ歌手の葛藤描く
U2の名盤「ヨシュア・トゥリー」(1987年)のジャケット写真などで知られるオランダ生まれの有名写真家アントン・コービンの長編映画監督デビュー作「コントロール」(公開中)。1980年5月、23歳で自殺した英バンド、ジョイ・ディヴィジョンのボーカリスト、イアン・カーティスの生き方を描く異色のモノクロ作品だ。(岡田敏一)
ジャケット撮影や音楽ビデオなど、数多くの大物と仕事をしてきたコービン監督。今回、ジョイ・ディヴィジョンというマイナーなバンドを選んだ理由について、「彼らの大ファンで、僕にオランダから英国への移住(79年)を決心させたバンドだったから」と打ち明ける。
パンクロックブームの最中に登場し、その後のニュー・ウェーブ時代の始まりを告げるユニークな存在だったジョイ・ディヴィジョンは、79年にアルバム・デビュー。81年までに計3作のアルバムを発表した。カリスマティックなカーティスのステージでのパフォーマンスは、米の伝説的バンド、ドアーズのジム・モリソンを彷彿とさせる。そして、その悲劇的な死も。
モノクロの映像で淡々と描かれるのは恋愛でも音楽でもなく、人間関係や辛い持病に悩み自ら死を選ぶカーティスの内的葛藤(かっとう)だ。ひとつひとつの場面構成がシンプルで美しく、写真家ならではの美意識や視点が際立つ。
「特に意識しませんでしたが、写真家としての痕跡は確かに残っています」とコービン監督。「映画製作は写真撮影より経済的に相当大変でしたが、被写体と1対1という関係ではなく、俳優に物語を語らせるという点で大きなやりがいがありました」
最近の音楽映画の大ブームには違和感を覚えている。「セレブ(有名人)を取り上げることにこだわり過ぎていると思う。ジョニー・キャッシュの伝記映画も音楽は素晴らしかったですが、映画の質がそれについていってなかったですからね」


