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映画【犬と私の10の約束】加瀬亮 世界に広がる活躍の場 (2/3ページ)
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「弾けないことで演技に迷いを生じさせたくなかった。説得力に通じることですから」
これまでは「アンテナ」や「スクラップ・ヘブン」など日本のアート系の若手監督の小品のなかで“現代に生きる壊れそうな危うい青年像”を演じる機会が多く、イメージも固まりつつあった。が、近年、クリント・イーストウッド監督の米大作「硫黄島からの手紙」の現場に呼ばれたり、昨年末はフランスの個性派、ミシェル・ゴンドリー監督の新作への出演を依頼されるなど演技の幅は広がり続ける。
「イーストウッド監督の作品に呼ばれるなんて、正直、自分の役者としての選択肢の中にはなかったですからね。でもこの経験で自分の中の垣根を取っ払うことができました」
好きなジャンル、芝居の方向性について「もちろん自分の中に揺るぎなく存在します」と言い切る。数多くの作品をこなすことで「趣味や方向性は実はますます頑固になっています」とも。ただ、可能性を狭めないため、「今はできる限り自分の扉を閉じずにいたい。いろいろな現場に出掛け、出会いの場を増やしたい」という。
取材中、恥ずかしそうに何度も「実は僕は引きこもりがちなんです」と口にした。しかし、何でも手軽に情報が入るネット社会を危険だと思っている。
「実際に自分の足で出掛け、現場を見たり、人に接する機会が僕にとっては重要。積極的にいろいろな場に出掛けて経験を積まなければ説得力ある演技などできませんから」。自分に言い聞かせるように語る目は、求道者のようにストイックだった。
文 戸津井康之

