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【SPORTS PLUS】聞かせたい 都はるみの声

2008.3.16 16:42

 その道の“プロフェッショナル”というのは、職業、ジャンルを超えて共通するものである。

 先日、東京・新宿コマ劇場で、都はるみさんの座長公演を観た。恩師の市川昭介さんが2年前に他界した。「市川先生との足跡を残したかった…」と24年ぶりの芝居を演じた。ソレはそれで内容があったが、やはり素晴らしかったのは歌におけるステージ・パフォーマンスである。広い舞台にいる1メートル50ほどの小さな体が、大きく見える。着物というつまりユニホームをまとったスターは、舞台狭しと動き回る。2月で還暦を迎えた。60歳である。その“肉体管理”を聞いてみた。

 「仕事に入ると、好きなモノを絶つの。いま、お酒ね。それにマスクは1年中してるわ。歌手はノドが命だからネ。それから距離は大したことないけど、部屋で毎日マシンだけど、歩くのよ、必ず…」

 “魅せ技”はどうしているのか。

 「舞台ではスポーツの要素を取り入れてますね。フィギュアとかマラソンとか、ボクシングとか、参考にしてますね」。他の舞台というより、独自性を追求する。研究熱心である。そういえば、名曲「千年の古都」の登場シーンは、荒川静香さんの“イナバウワー”並の仰け反りを演じる。すごい。

 将来のはるみ像は?

 「私ね、プロってのは、同じことをやっていても、同じ曲を何千回も歌おうとも、お客さんが満足しても、自分は100%と思っちゃいけない。いつも“いやいや、違う…”と思うこと。どこまで追求できるかわからないけど、満足したらプロじゃない。そういう将来でいたい…」

 そういえば世界の本塁打王、王貞治監督も、1時間、2時間とバットを振り、「最後までバッティングに満足いかなかった」と話した。いまの選手はせいぜい20〜30分。ソレを打ち込みと称する。プロ野球からどこか迫真の緊張感が伝わってこないのは、そんな部分が欠けているからなのか。

 摂生、あくなき探求心…。都はるみさんの声、聞かせたい。

(編集委員 清水満)

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