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【話の肖像画】スベっても笑わせたい(5)麒麟のツッコミ役・田村裕さん
■「やりおった」と言われたい
≪自伝「ホームレス中学生」は、コミック版が発売されたうえに、海外から翻訳のオファーまで来ている。周囲からは「ちょっとはしゃぎすぎ」という意見もある。そこで“ツッコミ”を入れてみたくなった≫
−−本が売れてから漫才で手抜きがあるという指摘もありますけど
田村 そう言われることは知ってますけど、ぼくは漫才をしているときが本当に楽しいので気にしていません。計算した漫才が、思い通りにいっても、いかなくても面白い。アドリブではスベることが多いですけど、でも、それも、また一興です。漫才やっているときが一番、生きている実感がありますね。
−−相方の川島明さんとの不仲説も聞かれます
田村 不仲説がでるというのはすごいことだと思っています。われわれみたいな、こぎたないおっさん芸人が不仲説をささやかれるのは、名誉なことです。
−−印税で豪華な食事ができるようになったのでは
田村 後輩を食事に連れていくときは、ステーキや焼き肉、すしなどの豪勢な料理を食べに行きます。けれど、それは後輩に食べさせてあげたいからであって、自分が食べたいわけではない。1人で食事をするときは、わりとパンやカップラーメンなどを食べています。
−−ねたまれませんか
田村 周囲の反応は別に以前と変わりません。会うたびに「おう、金持ちやんけ」などと言ってくださる師匠もいますが、でも、その人たちは、その前は「おう、貧乏人やんけ」などと言うてくれていた方です。表面上の言葉が違うだけで、感情は一緒。そこに愛情を感じます。
−−家族を捨てたお父さんを恨んでいないのですか
田村 父が家族解散宣言をしないで「みんなでやっていこうか」みたいなことを言っていたら、あんな自伝は書けなかった。中学2年生まで育ててくれたことに感謝しています。
≪ネガティブな質問はことごとく、前向きな答えで切りかえされてしまった。聞き方を変えてみた≫
−−芸人としての目標は
田村 ぼくが誰かを笑わせたことで、少しでも日本が明るくなればなによりうれしいです。
−−またカッコつけて…
田村 漫才でもコントでもトークでも「あいつは面白い」と言われたいですね。仲間に、一目置かれたい。戦国時代の有名な武将みたいに「あいつ、やりよった」と言われたいです。(竹中文)=おわり
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【プロフィル】田村裕
たむら・ひろし 昭和54年大阪生まれ、28歳。自伝「ホームレス中学生」(ワニブックス)が3月に発行部数200万部を達成。お笑いコンビ「麒麟」として活躍中。

