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岡田中将演じた藤田まこと「最後の作品にする覚悟でのぞんだ」 (1/2ページ)
平和な未来を後世に託し、部下を守るためB級戦犯として、たった1人で軍事裁判を闘った岡田資(たすく)中将の姿を描いた映画「明日への遺言」(小泉堯史監督)。公開記念企画の最後を飾るのは、その岡田中将を演じたベテラン俳優、藤田まこと(74)です。「最後の作品にする覚悟でのぞんだ」というほど入れ込んだ思いとは、何だったのか。熱い思いをヒューマンで、たっぷりとどうぞ。
(ペン・古田 貴士 カメラ・大西 正純)
作品を広くアピールするため、1月16日から鹿児島を皮切りに全国縦断キャンペーンを行った。70歳を過ぎてからの全国行脚は、体力的にもさぞきつかったはず。
「ハッ、ハッ、ハッ。老人虐待でスタッフを訴えようかと思いました。初めての経験でしたからね」と高らかに笑う。
だが、各地の反応を聞くと「とくに若い方、戦争を全く知らない方が、初めて平和の尊さを感じたというのが多かった」と一転して、真剣な表情。「年配の方も、いわゆるA級戦犯の話は知っているけど、B、C級戦犯の中に、こういう人がいたのは初めて知った、と。忘れかけていた戦争の記憶を世に呼び戻すために、この映画が発信した意味って大きいと思うんですよね」。
そう振り返り、ポツリ、ポツリと静かに、作品にかけた熱い思いを語り始めた。
「明日への遺言」は、小泉監督が14、15年前から温めてきた作品。実在の人物、実際の歴史を演じる難しさから、藤田も出演を半年間悩んだが、最後は「兄貴のために」と首を縦に振った。
兄・眞一さん(享年17)は昭和19年、民間船で沖縄へ行く途中、米軍機に攻撃されて亡くなった。
「兄貴は、いわゆる無差別爆撃で死んでいったんですけど、それが分かったのは戦後10年たってから。アメリカが情報を伏せていたんですね。このB、C級の戦犯の記録もそう。長い間、どんな裁判をしていたのか誰も知らなかったんです」



