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「中絶」通して独裁政権を斬る 映画「4ヶ月、3週と2日」クリスティアン・ムンジウ監督インタビュー (2/3ページ)

2008.2.29 15:22
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「映画は物語を語るだけでいいのです。製作に際し、どの側にも肩入れしないのが私の主義。見た人が自分の信念に基づき答えを出せばいい。実際、私自身、今も答えを探していますからね」と語るクリスティアン・ムンジウ監督(岡田敏一撮影)「映画は物語を語るだけでいいのです。製作に際し、どの側にも肩入れしないのが私の主義。見た人が自分の信念に基づき答えを出せばいい。実際、私自身、今も答えを探していますからね」と語るクリスティアン・ムンジウ監督(岡田敏一撮影)

 自由が極端に制限され、密告や裏切りがはびこる共産主義の独裁政権下に置かれた人々の悲惨な状況。これを最も的確に伝えるため“中絶”を題材に選んだというムンジウ監督。

 とはいえ「中絶の問題に的を絞った作品ではないんだよ。中絶に対する価値観や倫理観を浮き彫りにすることで、共産主義が行った最も悪辣(あくらつ)な行為を描こうとしたんだ。当時20代だった私が体験したチャウシェスク政権の残忍さや悲惨さを表現するため、中絶を舞台回しに持ってきたともいえるね」。

 映像もユニークだ。「あくまで主人公の視点で物語を語りたかった。それに観客が物語に集中できるよう、製作者側の顔ができるだけ隠れるような作品をめざした」ため、音楽やクローズアップといったありふれた演出も排し、カメラはワンシーン、ワンカットの長回しで登場人物を追い続ける。ドキュメンタリー風の荒々しい場面展開がひりひりするようなリアリズムを生み出している。オフィスでの事務作業のように淡々と無表情で中絶手術を進めるベベ。この場面は、全体主義や共産主義の持つ底知れぬ不気味さを見事に表現している。

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「映画は物語を語るだけでいいのです。製作に際し、どの側にも肩入れしないのが私の主義。見た人が自分の信念に基づき答えを出せばいい。実際、私自身、今も答えを探していますからね」と語るクリスティアン・ムンジウ監督(岡田敏一撮影)
【シネクラブ】ルーマニア映画「4ヶ月、3週と2日」(クリスティアン・ムンジウ監督)  3月1日公開(提供写真)
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