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【演劇】しっとり描く大人の恋 「長崎ぶらぶら節」
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なかにし礼の直木賞受賞作品「長崎ぶらぶら節」が3月4日から、東京・池袋の東京芸術劇場中ホールで、文学座により上演される。長崎を舞台に芸者・愛八(平淑恵)と民間学者・古賀十二郎(渡辺徹)との深い心の絆(きずな)が描かれた作品。文学座は3年前、なかにし作品「赤い月」を上演しており、演出の鵜山仁、主演の平と同じコンビが手がける。
明治から大正、昭和初期にかけて、長崎・丸山で活躍した名妓、愛八(本名・松尾サダ)の人生がしっとりと描かれる。愛八は町学者、古賀に誘われ、埋もれていた長崎の歌を探し求める。2人は老芸者が歌う「長崎ぶらぶら節」を見つけ出し、その歌はレコード化され、全国に知られるようになった。
「台本を読んだとき、切なさに胸を打たれました。愛八の孤独は、カラッとした性格の裏に、引き受けていることがいっぱいあるということ。それでいて、前向きに正しい生き方をした女性だと思う」と主演の平。孤独な老いを迎えようとしていた愛八が古賀に出会い、新しい人生の目標を見つける。そこに、天から素晴らしい歌(長崎ぶらぶら節)が下りてくるのだという。
一方、愛八が心ひかれる古賀役の渡辺は、「雰囲気を出そうとすると出なくなるし、絵空事のようでいて、リアルなところはチェーホフに近い。(古賀は)学者であって、学者でないような人物」と話す。酸いも甘いもかみ分ける男女の純愛物語。童話のような道行きというべきだろうか。
東京公演は3月4〜10日。問い合わせはTEL03・3351・7265。
(生田誠)

