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「長生きして、ちゃんとした映画作りたい」 (1/2ページ)

2008.2.13 21:27
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 「もう少し長生きして、もうちょっとちゃんとした映画を作りたい。長嶋(茂雄)さんではないですが、映画は永遠のものです。映画を愛してほしい」

 平成18年11月。遺作となったリメイク版「犬神家の一族」の完成試写会に車いすで現れた市川崑さんは、関係者を前に熱くこう語った。当時90歳。それでも映画への情熱が枯れることはなかった。

 日本映画を代表する巨匠の一人、市川さんは、映画だけでなくテレビ、人形劇など生涯を通じて映像表現を追求した人だった。

 幼いころは画家志望だったが、伊丹万作監督の「国士無双」(昭和7年)に感動。映画の世界で働くことを決意する。

 昭和8年、京都JOスタジオの漫画部に入社。後に東宝に移り、そこから90本を超える監督人生が始まった。夏目漱石や谷崎潤一郎作品といった正統派文芸路線とともに、スローモーションやスピーディーなカットつなぎなど実験的ともいえる華麗な映像派としても実力を発揮。その作品はいつの時代も型にはまらぬスタイルで、フランスのクロード・ルルーシュ監督ら、海外の映画にも影響を与えた。

 人選が難航した昭和39年の東京五輪の記録映画を引き受け、「東京オリンピック」(40年)を監督。「記録映画は初めてだが大いに興味がある」と意欲満々だったが、スローモーションを多用したり、無名選手を延々と追いかけたりする個性的な作品となり、国内では「記録か芸術か」と論議を呼んだ。ただ、カンヌ映画祭などでは好評で、本人は「映画として認められた」と喜んだ。

 「人生をのぞく四角い窓という意味では一緒」と、新しいメディアとして登場したテレビにも積極的に参加。47年に始まった「木枯し紋次郎」は時代のヒーローとして一世を風靡した。

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