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映画出演が人生に及ぼしたもの 「かつて、ノルマンディーで」ニコラ・フィリベール監督に聞く (1/3ページ)
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仏ドキュメンタリー映画の巨匠、ニコラ・フィリベール監督(57)の4年ぶりとなる作品「かつてノルマンディーで」の舞台はノルマンディーの静かな農村。フィリベール監督が助監督を務めた30年以上前の映画のロケ地でもあった。本作では、フィリベール監督が当時主要な登場人物を演じた地元農民たちを再び訪ね、映画出演の経験が彼らに残したもの、インタビューを通じて垣間(かいま)見える出演者の人生そのものを映し出し、温かいまなざしを注いでいる。作品に込めた思いを聞いた。(高橋天地)
「この映画の前にもう一つの映画があった」。冒頭、フィリベール監督自らがナレーションで紹介するように、作品は父のように仰ぐ故ルネ・アリオ監督の「私 ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した」(1976年)をベースとしている。アリオ監督は約200年前にノルマンディーで実際に起きた少年による殺人事件をミシェル・フーコーの著作などをもとに映画化。登場人物を実際にノルマンディーに住む農民らに演じさせた意欲作だった。
フィリベール監督が本作を撮ろうと決めたのは2004年末。映画学校の講義で学生たちに旧作を見せたが誰も見たことがないことに驚いた。アリオ監督すら知らない者もいた。旧作はフィリベール監督にとって映画人生の原点。「(旧作に)光をあて、自分を見つめ直す作品を撮りたくなった」と振り返る。


