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【輝interview】歌舞伎俳優・尾上菊之助 「心で踊る」一心に未来見つめ (1/3ページ)
来月、大阪松竹座で玉三郎と共演
「歌舞伎のいいところは、僕たちがお客さまと一緒に成長していける演劇だということですね」。そう言って涼やかに笑った顔に清潔な色気が漂う。
透明感のある美貌(びぼう)と繊細な感性で、女方を中心に活躍中の花形役者。
父は人間国宝、尾上菊五郎、江戸歌舞伎の名門、音羽屋の跡取りとして生まれ、周囲の期待を一身に集めながら順調に成長してきた。
来月は大阪松竹座の「坂東玉三郎特別舞踊公演」に出演、「京鹿子娘二人道成寺」を玉三郎と踊る。
女方舞踊の最高峰といわれる「京鹿子娘道成寺」。「京鹿子娘二人道成寺」は玉三郎の考えで、新たな形を作り上げたもの。2人の白拍子花子(玉三郎、菊之助)が登場し、ときにユニゾンとなり、ときに合わせ鏡のように、そしてときには一人ずつパートごとに踊り分けながら、光と影、陰と陽のように女の二面性を踊る。玉三郎と菊之助が2人同じ振りで踊ると、うっとりするほど美しく華やかな中に鐘に恨みを持つ女の情念がのぞいて、ハッとしたものである。
「玉三郎のお兄さんのおかげで踊りの掘り下げ方を勉強させていただきました。踊りって当て振りの部分もあれば、言葉がない分飛躍するところもある。でもなによりも心で踊らないと何も伝わらないことも改めて実感しました」
初演は平成16年の東京・歌舞伎座。その革新的な作品は大評判を呼んだ。
「でも僕自身はいっぱいいっぱいでした。玉三郎のお兄さんは『私はどうとでも受けてあげるから好きなように踊りなさい』とおっしゃってくださいましたが、合わせなければとガチガチになっちゃって…」。2年後の再演では、新たに小鼓と演者の一騎打ちともいえる至難の乱拍子が加わった。「でも今度はお兄さんとどこかつながっているような感じを持つことができました。僕もこの間いろいろ経験しましたし…」と語るように、自身も深く花子を掘り下げ、精神的に自由に踊ることができたのであろう。


