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【人、瞬間(ひととき)】あの人 落語家・林家正蔵さん(45)(中) (2/2ページ)
このニュースのトピックス:伝統芸能
じつはそのころ、寄席で古典落語が思うように受けないことに悩んでいた。
「ねずみ穴」「景清」「死神」といった古典落語の大ネタを次々に手の内に入れ、このころから、それまで声がかからなかったホール落語の出演が増えた。それはうれしかったが、寄席で受けるのは相変わらず父の思い出や物真似(まね)などを中心にした漫談だ。テレビで人気者なんだから、無理して古典をやらなくても、という声も聞こえてくる。
ともすればくじけそうになる気持ちを支えてくれたのが、相次いで亡くなった先輩や仲間の思い出だった。好きな落語ができる。その幸せに思い当たった。
「もっと真剣に落語に取り組まなきゃいけない。本当にそう思いました」
=敬称略
(文 栫井千春)

