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【人、瞬間(ひととき)】高座での絶句が出発点 落語家・林家正蔵さん(45)(上) (2/3ページ)

2008.1.15 07:42
このニュースのトピックス伝統芸能
林家正蔵さん(東京・根岸の自宅) 林家正蔵さん(東京・根岸の自宅) 

 古典落語「芝浜」では、大金を拾った酒好きの魚屋が喜び、飲んで食って仲間と散財する。しかし魚屋は女房の機転で大金を拾ったことを夢と思いこまされてしまう。残った借金で真っ青になった魚屋は、それをきっかけに酒を断って商売に精を出し、やがて自分の店を出すまでになる。

 この噺、いまでは正蔵の持ちネタの一つだが、人は何かのきっかけで大きく変わる−というのがテーマの一つになっている。大恥をかいた高座を振り返って、正蔵は「あのとき目覚めたんです」と話す。

 スケジュールの忙しさを言い訳にするのをやめた。寝る時間や趣味の時間を削り、ロケや収録の合間に稽古した。「こぶ平が古典に取り組んでいる」。そう聞いた先輩や仲間がアドバイスしてくれるようになった。そして翌年の春、2回目の勉強会では、人物の描きわけが難しいとされる人情噺「ねずみ穴」を見事に演じ切った。

 「今、ありがたいことに正蔵の古典を聞きたいと言ってくれるお客さんがいらっしゃる。思えば、最初の勉強会のあれ(絶句)がスタートでしたね」=敬称略

 (文 栫井千春)

 巡りあったあの人、自分を変えたあの時、忘れがたいあの場所…。各界の著名人に、心の糧になっている、かけがえのない“ひととき”を語ってもらうシリーズ。毎週火〜木曜に掲載します。

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林家正蔵さん(東京・根岸の自宅) 

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