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【産経抄】1月6日

2008.1.6 03:07
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 時代劇、中でも娯楽性の強い「チャンバラ映画」が戦後に全盛期を迎えたのは昭和29年ごろだろうか。この年の大型連休、全国の東映系映画館には子供を中心に長い列ができた。中村錦之助、東千代之介コンビの「笛吹童子」を見るためだった。

 ▼チャンバラ映画は戦後、GHQにより一度禁止された。しかしサンフランシスコ講和条約とともに復活、「笛吹童子」や翌年の「紅孔雀」などで一気に花を咲かせる。昭和30年代には、チャンバラ映画なくては盆も正月もないという「娯楽の王様」に君臨していた。

 ▼その後映画産業の衰退で銀幕から遠のくが、演出や時代考証などのノウハウはテレビ時代劇に受け継がれた。昭和50年代ごろから「水戸黄門」をはじめ「遠山の金さん」「必殺仕事人」などのシリーズが人気を集める。こんどはテレビ時代劇の全盛期になったのだ。

 ▼そのテレビ時代劇が今、存亡の機に立たされているという。民放のレギュラー時代劇枠はほとんどなくなり、時々のスペシャル版だけになった。「蝉しぐれ」などの名作を生んだNHKの「木曜時代劇」も45分から30分モノに縮小され、別の曜日に移されるそうだ。

 ▼スタッフが少なくなったこともあるが、問題はやはり視聴率らしい。しかも民放の場合、時代劇の視聴者の多くが購買力の低い高齢者で、スポンサーがつきにくいのだという。チャンバラ映画を支えてきた「団塊」以上の世代にとって、切歯扼腕(やくわん)したくなる理由である。

 ▼言うまでもなく時代劇は立派な「文化」だ。武士という人間の生き方をはじめ、その時代の空気から、言葉遣いや所作、道具、衣装までみんな伝えているからだ。これを守っていきたいという、太っ腹なスポンサーはいないものだろうか。

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