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【週末読む、観る】帰らぬ父を待つ母子 映画「春よこい」製作快調 (1/2ページ)
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昭和がまもなく終わろうとしている佐賀県唐津市呼子町。母と息子がひっそりと暮らしている。誤って人を殺し逃亡した父を、4年間も待ちながら。9歳の息子はある日、交番の掲示板を見上げる。毎年この時期に張り替えられる指名手配犯の写真だった。父の顔を見つけ、思わず手を伸ばす。それを目撃した地元の新聞記者が記事にする。「父ちゃん、今年もまた会えたね」という見出しで…。
実際にあった事件、新聞記事から着想を得た。昭和の匂(にお)いを残す港町ということでここを舞台に選び、11月上旬から約1カ月間、全編を現地ロケで撮影した。
三枝健起監督は「よくある母子物語だと、いまどき?と言われてしまう。松本清張さんの『張込み』みたいな、いわゆる本格的な刑事ものというわけにもいかないし。そこが悩みどころ。ただ、本筋はやっぱり家族の話なんで、どう味付けるかが勝負」と語る。
「オリヲン座からの招待状」に続く5度目のメガホン。実兄の三枝成彰氏が音楽を担当する。父に時任三郎、母に工藤夕貴、息子に「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの小清水一揮がふんするほか、記者役で西島秀俊、刑事役で宇崎竜童らが共演する。
役作りに腐心したのは時任だ。「過失だから重い罪にはならないはずなのに逃げてしまう。どういう気持ちで、何を考えて生きてきたのか。さっぱり分からないまま撮影に入り、芝居をしながら少しずつ作り上げていった。最後の最後に、こだわりのせりふを足させてもらった。それは見てのお楽しみ」と言う。
一方の工藤は海外での出演が多く、日本映画の主演は今井正監督の遺作「戦争と青春」以来17年ぶりとなる。


