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【わたしの失敗】タレント・桂小金治さん(81)(1) (1/3ページ)
このニュースのトピックス:芸能人の不祥事
■「名前返す」に師匠激怒
「寄席に出られないので、桂小金治の名前をお返しにまいりました…」。師匠の桂小文治にそう切り出したとたんに、怒声が飛んだ。「おまえ、今なに言うた? ワイがおまえに付けた名前やで。ワイがおまえから取るいうならわかるが、返しに来た? えらそうな顔すんな!」。しかし、怒りとともにぶつけられた言葉は温かかった。「名前を汚さんように、しっかりやれ!」
終戦後に落語家になった小金治は昭和24年に二つ目に昇進した。噺(はなし)家(か)として将来を嘱望されていた。27年に映画監督の川島雄三に誘われて映画界にデビュー。俳優として大成功して、テレビ界にも活躍の場を広げた。41年からは、平日正午のワイドショー番組「アフタヌーンショー」の司会者に。テレビ出演に忙殺されるようになる。
高座に上がれない日々が続くうちに、自問しはじめた。「桂小金治」を名乗っていていいのだろうか−。申し訳ない気持ちが募った。番組が2年目を迎えたとき、「やはり返すべきだ」と決断して、師匠をたずねたのだった。
親の心子知らず−。「名前を返します」というのは、弟子を思う師匠の気持ちを読めなかったゆえの失言だった。しかし、怒られたおかげで見守られていることに気付いた。40年も前のことなのに、このエピソードを語っているうちに、小金治の両目が見る間に真っ赤になった。「あのときは、うれしくて泣いたよ」

