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【わたしの失敗】俳優・柄本明さん(59)(2) (2/2ページ)
このニュースのトピックス:舞台
次の週は柄本扮(ふん)するでんでん虫と、綾田のタヌキが対決。柄本はバケツで何度も綾田の頭を叩(たた)いた。
舞台が終わり、屋上の隅で着替えていると、綾田が「あ、頭が…」とフェンスを握りしめてふるえている。タヌキの耳付きの帽子を脱がせると、滝のように血が流れ出た。
「バケツは側面で叩けば痛くない。でもおれ、底で叩いてたんだよ」
病院に運ばれた綾田は、6針も縫った。
結局、客は最後まで舞台を見なかった。バイトを終えて、ベンガルが2人にこう言った。
「おれたち、舞台を飛び出してコントショーなんかで修業してさ、鍛えられたよなあ」
柄本は笑う。
「感慨深そうにしゃべってんだよ。こいつ本物のバカだな、って思ったね」
後の人気劇団「東京乾電池」旗揚げ直前の青春の日々だった。=敬称略(岡本耕治)