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「いつの間にか美和子に」…「象の背中」今井美樹 (1/2ページ)
秋元康氏の小説を映画化した「象の背中」(井坂聡監督)が27日、全国公開される。末期がんを宣告された48歳のサラリーマン藤山幸弘(役所広司)が余命半年をどう生きるか、がテーマだ。20年ぶりの映画出演となった今井美樹が支える妻、美和子を演じている。出演の経緯から本作への思いまでを聞いた。(堀口葉子)
≪役所さんに影響≫
−−昨年夏、出演依頼を受けた
「当時、台本を読んだ途端、(夫を亡くす内容に)泣いてしまい、読み進めることができませんでした。理由は5年前に亡くした父のことです。闘病中、私は娘として十分向き合えなかった後悔の思いが残っているから。だから、今はまだ演じられないと判断し、最初はお断りしたんです」
−−出演を決意したのは
「役所広司さんが幸弘を演じると聞き、幸弘と美和子夫婦の空気感や言葉のやりとりが具体的にイメージできるようになったんです。延命処置をしたくない幸弘の思いを受け止めた美和子が、家族の時間をどう丁寧に紡ぎ出すか。役所さん演じる幸弘と、私が演じる美和子とが、どう言葉のキャッチボールを交わすのか。だんだんと興味がわいてきたんです。20年間、映画に出演していない分、セリフの掛け合いができるか怖さはありましたが、この一家の空気を味わいたいと思いました」
−−役作りは
「演じる前、主婦として日常を丁寧に生きる美和子は、私とは違うタイプだと思っていました。歩き方や話し方も違うだろうと。ただ、実際に演じていくうちに、気がついたんです。同じ40代の女性として、夫と子供をサポートする私は、女性、妻、そして母としての土台の部分が美和子と共通だと。撮影では、美和子というキャラクターに形から入るのではなく、同じ生活をする者としての土台を生かしていこうと思いました」
−−撮影現場を振り返って
「撮影現場では、役所さんに助けられました。役所さんが夫婦としての何気ないセリフを投げてくれ、私の中から美和子を引き出してくれたんです。私は、いつの間にか美和子になれたと思っています。そして、撮影が進むにつれ、長男の俊介、長女のはるかとの私たち4人は、本当の家族のように過ごせたと思っています」


