経済日銀・白川総裁が講演「インフレ目標、中長期的視点を重視」2012.2.17 18:55

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日銀・白川総裁が講演「インフレ目標、中長期的視点を重視」

2012.2.17 18:55
日本記者クラブで講演する日銀の白川方明総裁=17日、東京都千代田区

日本記者クラブで講演する日銀の白川方明総裁=17日、東京都千代田区

 日銀の白川方明総裁が17日、日本記者クラブで講演し、14日の金融政策決定会合で導入を決めたインフレ目標について解説した。白川総裁は、インフレ目標を「中長期的にみた物価や経済・金融の安定を重視した」政策と指摘した。インフレ・ターゲット政策の導入国も、目標が中長期的な視点に変わりつつあると強調した。その上で、デフレ脱却に向けて成長力強化の取り組みが重要であると訴えた。

「ターゲット」ではなく「ゴール」

 日銀は「中長期的な物価安定のめど」として中長期的な物価安定の水準を、消費者物価の前年比上昇率で「2%以下、当面は1%」に設定した。

 日銀は「目標」の英訳に「ターゲット」を使わず、「ゴール」と表現。「インフレ・ターゲット」と同じ政策と受け止められないよう配慮した。インフレ・ターゲットでは、短期的な物価動向にとらわれ、無理に紙幣を増刷してインフレに誘導する政策ととられているからだ。

 白川総裁は講演で、英国のようにインフレ・ターゲットを導入している国でも「物価目標を短期間で無理に実現するのではなく、経済や金融の安定を図ることを意識して物価目標を中長期的に達成していく色彩が強くなっている」と指摘。英国のようなインフレ・ターゲットを導入している国も、日本と同様に中長期的な視点でインフレ目標を設けているとした。

ビジネスチャンスが乏しいことが日本の問題

 日銀がインフレ目標を設けたのは、物価が持続的に下落するデフレからの脱却に日銀が強い姿勢で臨んでいることをアピールする狙いがある。このため、インフレ目標の導入とともに、国債などの資産買い入れ基金の10兆円の増額も決めた。

 白川総裁は量的緩和の結果、主要国に比べて市中に供給されている通貨が主要国の中で最も多いことを強調。デフレの原因が日銀の量的緩和が不足しているとの見方に反論した。

 その上で「平成12年以降、ごく一時的な期間を除き、恒常的に需要不足の状態が続いている」と指摘した。需要を創出するための取り組みが必要であることを強調した。その例として、高齢者向けの需要を十分に吸い上げられていない点を上げ、「需給のミスマッチ拡大の表れと解釈すべきかもしれない」と分析した。

 成長力強化の取り組みとして、白川総裁は高齢者や女性が働きやすい環境づくりを整え、就業者人口を増やす取り組みを進めることや、多様化する国内需要を掘り起こすための企業努力の必要性を訴えた。

 白川総裁は「成長力強化のための魔法のつえはない」と述べ、日本経済が取り巻く環境を直視し、企業や金融機関、政府、日銀がそれぞれの役割のもとで、デフレ脱却に向けた取り組みをする必要があると指摘した。

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