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【ねっと系】スクロール 安直なフィルタ導入の弊害
■スカイウィルCTO・池田将
個人情報漏洩(ろうえい)のニュースが新聞紙面をにぎわすたび、会社のネット環境の、セキュリティー対策が厳しくなっていくようだ。
例えば、ある会社では、メールを送信しようとすると、メールに「NGワード」が含まれていないか、メールサーバに搭載されたフィルタが自動的にチェックする。このフィルタは、メールの内容を理解しているわけではなく、事前に指定された文字列が含まれているかどうかを機械的に判定しているだけなので、社員が送信したほとんどのメールが、フィルタにダメ出しを食らってしまう。
満足にメールが送信できないのでは仕事にならないから、この会社では、回避策として、フィルタがダメ出しするメールも、cc欄に上司のアドレスを追加すれば、フィルタは目をつむって送信してくれるしくみとしたのだが、災難なのは上司である。部下からのメールの山に悩まされる姿に同情したい。
別のシステム会社では、掲示板「2ちゃんねる」へのウェブ閲覧をフィルタで規制したところ、システムを開発するスピードが鈍化した、という話を聞いた。技術者たちが解決方法のわからない難題にぶつかると、掲示板やSNSで答えを見いだしていたようで、フィルタの導入でその道が絶たれてしまったらしい。
セキュリティーの確保のために、一律的なフィルタを導入すればよい、という安直な発想が、どうも気に入らない。企業ユースのみならず、すべてのネットユーザーが使える、もっと多角的に情報漏洩を防ぐしくみが生まれてもよいころだと思う。
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【プロフィル】池田将
いけだ・まさる シリコンバレーやアジアのネットビジネスの、調査や分析を得意とする。株式会社スカイウィルCTO(技術担当取締役)、35歳。「イザ!」で、専門家ブログ「デジタルな生き方 −Digital Way of Living」を公開中。http://digitalway.iza.ne.jp