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【正論】「IT」と人間革命 新しいタイプの大衆の出現 多摩大学情報社会学研究所長・公文俊平 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
この国は、経済二流、政治三流という評価がすっかり定着したようだ。実際、今回の日銀総裁人事をめぐるごたごたを見ていても、なんともやりきれない思いがする。
しかしそれではこの国には「未来」はなくなってしまったのか。そんなことはないと私は思う。いまはまさに新旧交代期で、経済の不調や政治の混乱は、いってみれば旧(ふる)い日本の断末魔の苦しみなのだ。ひとつ眼を転ずれば、期待に満ちた新しい動きはいたるところに見いだせる。
たしかに、そのような新しい動きはいまの経済統計ではとらえきれない。早い話が、パソコンのハードディスク一つをとってみても、30年前は20メガで30万円していたが、いまは200ギガが2万円以下になった。それを昔の価格で評価すると、30億円になる。月数千円で使えるインターネット接続サービスの価値は、一昔前の料金で評価すると、月数十万円はくだるまい。インターネットの上で事実上無料で使えるウェブ2・0のサービスや、ユーザーが生み出す各種のコンテンツの価値をお金に換算するとしたらいったいいくらになるのか見当もつかない。さらに、ゲーム内の通貨や各種の「ポイント」でやりとりされているアイテム類は、交換価値までもつ立派な「商品」である。私たちはその意味ではとてつもなく「豊か」になったばかりか、経済成長は依然として活発に続いているのである。
情報社会の「智民」たち
しかし、より根本的な変化は、人びとの意識や行動様式にみられる。「情報(IT)社会」では、これまでの「産業社会」の「市民」や「企業」とは性格を異にする個人や組織、つまり「智民」や「智業」が出現してくる。

