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【新春対談】梅田望夫氏と佐藤康光棋聖が語る(3)一面的な「ネットと格差」議論 (2/5ページ)

2008.1.1 08:21
このニュースのトピックス梅田望夫
梅田望夫氏梅田望夫氏

 しかし、なかなかそういうのは簡単に生み出せない。まあ、将棋以外の世界でもそうなんでしょうけれど、過去の経験の積み上げは膨大で、莫大(ばくだい)なエネルギーの集積です。それを超えたものを生み出そうとすると、ぼくの場合は、今まで自分が培ってきたものを、絶えずこうなんていうのか、アンテナを張っている状態でないと。繰り返しになるが、感覚が研ぎ澄まされている状態でないと過去は超えられない。

 将棋は勝負どころがどこにあるか分からないときがある。普通の人は、将棋の勝負どころは終盤と考えるでしょう。最後に詰む、詰まないという局面です。まあ、そこで間違えれば負けですからそうなんですが。

 しかし、プロ同士はわずかな差で戦っていて、どこで勝負がつくかがなかなか分からない。思わぬところで勝負がつくということもあるが、戦っているうちに、どこで形勢が逆転したのか分からないまま指していることがある。それが最初の20手目の局面であるときもあるし、本当に投了する最後の直前のときだったりもする。

 これを予期するためには、やはり鋭敏な感覚が不可欠。逆に、これがないとチャンスをつかめない。だから、お互いに感覚を研ぎ澄まし、お互いにピンチを切り抜けた結果が、名局となる。テンション(緊張)が上がるというのとはちょっと違うのかもしれないが、そういう感覚が名局を生み出す土台だと思います。

 司会 今日はだめということもあるんでしょうか。

 佐藤 それはありますね。ぼくはよく、冴えがある、ないという言い方をするんですが。常に冴えの状態を保ちたいとは思っています。

 将棋は未知の局面になりますので、冴えがないときは凡戦になってしまうことが多い。年間平均40〜50局とかで、いい将棋を指せたと思うのは2〜3局あるかどうか。反省点は必ず出てくるし、1局指せば新しい発見がある。しかし、反省点は増える一方で、課題も増える一方です。

ネットと格差社会

 司会 将棋には、究極の人知が凝縮されている。昨年夏に産経新聞と日本将棋連盟の主催で、小・中学校将棋団体戦をやったんですが、将棋連盟の米長邦雄会長があいさつで「負けた人を思いやりなさい」とおっしゃっていた。相手に敬意を払いなさいと。そういうことが体現される世界というのはすごいなあと思いました。そうした将棋界とネットがつながりつつあるという話でしたが、ネット、ITというとどうしても日本では、ライブドアとか村上ファンド事件とかが連想されてしまい、ネガティブな部分が増幅されがちです。

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対談に臨む佐藤康光棋聖(左)と梅田望夫氏
佐藤康光棋聖(左)と梅田望夫氏
梅田望夫氏
佐藤康光棋聖 
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