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【新春対談】梅田望夫氏と佐藤康光棋聖が語る(2)学習の高速道路を抜けるとけもの道 (5/5ページ)
このニュースのトピックス:梅田望夫
それを棋譜、7六歩、8四歩・・・という流れを追っていき、その1局の芸術性というのがきちんと解説される。十分な字数を使って解説されれば、勝ち負けを超える。トッププロ同士の対戦でも、凡戦と名局の違いが明確に表れると思います。
司会 そこが将棋のおもしろさだと。
梅田 大げさな話ですが、20世紀というのは自動車にしても、飛行機にしても、人間の肉体の限界を改善する技術が世界を牽引(けんいん)した時代だと思う。メーカーがしのぎを削って優れた自動車を造り、それを動かす石油をめぐって戦争が起きたりとか、そういう時代ですよね。
そして、21世紀というのは、人間の脳の限界を超えようとしていく技術の時代で、それがITであったりインターネットだったりということになる。
しかし、そうした技術の発展と人間の技芸をきわめる行為は別の次元の話でしょう。例えば、マラソン競技で1人だけ自動車で走る人がいて、先にゴールに着きましたといって、マラソンが面白くなくなるということはない。
将棋も同じで、人間が有限の時間を使って1局の将棋を指す、2人の人間が脳を使って芸術作品を作るという、そういうことの意味みたいなものって、コンピューターが出てきてもあまり関係ない。
まだ、コンピューターが弱くて、人間が強いという状況なので、コンピューター対プロ棋士の戦いには一瞬の話題性はあります。しかし、それで仮にコンピューターが勝っても「ああそうですか」ということです。
つまり、棋士の指す将棋とコンピューターのそれとでは、目指すものがまったく違うわけで、強さを比べることに意味はないのです。
佐藤 確かにそうかもしれません。




