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【新春対談】梅田望夫氏と佐藤康光棋聖が語る(2)学習の高速道路を抜けるとけもの道 (4/5ページ)
司会 渡辺竜王からお聞きした話ですが、ボナンザと指すときに、コンピューターがどれだけのものかなと思ってやったけれど、そんなたいしたことないだろうと思ってやったら、これまずいと思ったとおっしゃってました。
佐藤 意外と強いと。
司会 そう。ちょっと気合入れ直さないと格好悪いことになると思って指し出してから、自分のペースになったとおっしゃっていました。
しかし、将棋は取った駒を使えるということもあって、複雑なんでしょうね。
佐藤 取った駒を使えるということで選択できる手は膨大になりますから。
梅田 チェスよりも難しいですね。
佐藤 ええ。しかし、チェスは引き分けが多い。4〜5割は、トッププロがやっても引き分けになる。ところが、将棋はほとんど必ず決着はつきますので、ゲーム性が違う。勝ち負けが決まる可能性が高いゲームのほうが、コンピューターとしては得意なのかなとも思いますね。
梅田 長く将棋を見つづけているファンの立場から言うと、勝ち負けよりも、その将棋がいい将棋かどうかの方が重要と思う。突き詰めていえば、棋譜の芸術性ですね。局面の均衡が続き、その裏には“1億3手”づつの読みがある。どちらかがばたりと勝ってしまうことがない均衡が美しく続いていく棋譜の魅力はすごいもの。僕の感じは、人間が感動する棋譜を生み出すところまで、勝ち負けということを超えて、一つの将棋の芸術性の美しさを考えるところまで、コンピューターは進化していけないのではないか。
司会 興味があるのは、勝ち負けよりも美しさですか。
梅田 仮に、コンピューターの性能が上がって、まれに勝つことはあるとしても、何度も見るに堪える意外性や芸術性が生まれるのかどうか。見る側からすると、羽生−佐藤戦は、何度でも鑑賞する価値がある。無から始まるわけですが、その1局というのは必ず固有の1局になって、個性がある。




