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【新春対談】梅田望夫氏と佐藤康光棋聖が語る(1)ネットで目的にたどりつけるのは疑問を持つ人だけ (2/5ページ)
だけど、世界で何が起きているんだろうとかいうことは知りたいでしょう。すると、新聞見ないと俯瞰(ふかん)性が得られない。土地勘がないところで、自分が何を知っていなければならないのか、という漠然とした要求を持って情報に対峙(たいじ)しようとしたら、雑誌や新聞などのパッケージにした情報がないと話にならない。つまり、ネットと新聞は対峙するものではなく、双方が補完し合うものだということです。
司会 なるほど。
梅田 昨日と今日とでは世界はこれだけ変わったという差分を用意して、紙面で提供しているわけでしょう、新聞というのは。ネットというのはそういう構造してないわけですよ。とにかく、過去からのモノは全部ありますと。蓄積されていきます。それでいま見えているのはこのページで、そこから自由にどこにでも行ってください、何か興味があるのであれば、キーワードを入れて検索してください。そうすれば出てきますという具合ですね。だから、自分が興味を持っていることについてはネットでどこまでも行ける。ところが、自分が何に興味があるかが分からなくて、でも、生きていくうえで把握しなければならないものをどうするか、というのはネット向きではない。だから、必ず両方残る。
司会 ネットと紙媒体の双方が必要だという理由ですね。
梅田 しかし、これまでは新聞や雑誌しかなかったから、ネットが出てきたときに、新聞は「自分たちがなくなっちゃうんじゃないか」と心配したわけです。少しは減りますよ、もちろん。新しいものが出てきたんだから。しかし、ネットという道具を新聞社も使えば、「法廷ライブ」みたいなこともできる。
佐藤 「法廷ライブ」ですか?
司会 産経新聞がネット向けにやっている企画です。法廷では録音も撮影も認められていないものですから、記者が手書きでやり取りを記録して、それをすべてネットで流すという企画ですが、ウェブサイトのアクセス数が跳ね上がりました。
梅田 ネットは物理的な制約がないですから。それを若い人は求めています。たとえば、法曹の世界を志す若者たちとか、ある事件に興味があって、その裁判が今日あるんだということを知っていて、法廷の中で何が語られていたのだろうかと関心を持つ人たちには、最高のコンテンツですよね。




