ニュース: 経済・IT RSS feed
【新春対談】梅田望夫氏と佐藤康光棋聖が語る(1)ネットで目的にたどりつけるのは疑問を持つ人だけ (1/5ページ)
インターネットの普及によって、根本から変わった社会構造は、これからどこへ向かっていくのか。新年にあたり、シリコンバレー在住で常に最新の情報を発信している梅田望夫氏と、6期連続で棋聖位を獲得、緻密な頭脳と共に、バイオリン演奏などの多才さでも知られる将棋の佐藤康光棋聖が対談し、大いに議論を戦わせた。MSN産経ニュースでは、産経新聞紙上で掲載しきれなかった部分も含めた完全版をお届けする。(司会 片山雅文編集長)
「知」の泉
司会 今日はお二人に、いわゆる「ネット社会」を切り口に大きく「知」といったテーマで語り合っていただこうと思います。まずは専門家の梅田さんに、インターネットがわれわれに何をもたらしたのかお聞きしたいと思います。
梅田 インターネットの面白いところは、情報の向こうに無数の人がいることでしょう。われわれは、どんなにがんばっても、1日に会える人は何人、知り合える人は何人と限界がある。将棋の世界でもビジネスの世界でも学校でも、非常に限られた人数の人としか知り合えない。しかし、インターネットは向こうに日本人が何千万人、世界中には億単位の人がいて、意外なことが返ってくる。そこがすごく面白い。
佐藤 確かに、絶対に知り合えない人と知り合えるというところがありますね。脳が横につながるというか、広がってゆく感じですか。
梅田 はい、そうです。しかし、ここが肝心ですが、ネットの情報というのは、何かを知りたいという気持ちが自分のほうにないと探せない。ネットの情報というのはそれこそ無限にありますが、何かを知りたいというテーマがある人にしか開かれていない。疑問や情報を持っていた人だけが目的の情報にたどりつける。そして、自分から行くと深いものを得られるというのがネット。検索をすることで、その向こうに「知」が広がる。
司会 疑問や情報がない事柄はどうなりますか。
梅田 確かにわれわれそんなにたくさんのことに能動的な関心がないわけです。私もネットでいろいろ調べますが、大好きな将棋や、仕事の専門に関係するIT(情報技術)のこと、経営のこと、自分が関心を持っている人のこと、それくらいで、もう時間がいくらあったって足りない。僕の場合、それ以外の世界についてはネットをあまり使わない。こちら側に知りたいという気持ちがない領域について、ネットはあまり役に立たない。




