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【正論】「ネット」と新聞 読者との新たなコミュニティー 多摩大学情報社会学研究所所長・公文俊平 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
「宅配」「広告」の経営モデルを脱せ
≪プロの仕事は変わらないが≫
日本の新聞産業は、いますぐではないにしても、存亡の危機にある。媒体(紙)の面でも、宅配と広告に依存しているビジネスモデルの面でもだ。
日本人は近年、1人あたり世界平均の5倍、年間250キロ近くもの紙を消費するようになったが、その2割ほどが新聞紙だ。そのさらに2割ほどが、いわゆる宅配の「押し紙」であって、消費者の手元に届くことなしにリサイクルにまわされている。これほど大量の紙の消費、いや浪費を、いつまでも続けていくわけにはいかないだろう。
日本の若者は、数が減るだけでなく新聞を読まなくなっている。宅配への需要は、このままだと減少の一途をたどる。広告のあり方も変わりつつある。ネット広告の比重が拡大しているだけでなく、不特定多数の消費者に一方的に広告を流すという仕方自体が見直されている。
しかし、信頼できるニュースやその背景分析への需要までなくなるわけではあるまい。よく、記事は筆者の名前や肩書でなく内容で判断されるべきだという。しかしそれは容易なことではない。だからこそ、プロのジャーナリスト集団が、きちんとした取材やしっかりした調査をもとにして、組織の名誉をかけて提供する記事に、読者は信頼をおいてきた。新聞社と読者の間のこのような関係は、記事が電子的に提供される時代になっても、変わりはすまい。
問題はビジネスモデルだ。新聞が存続するためには、いや、さらに発展していくためには、宅配と広告に依存してきたこれまでのビジネスモデル自体を捨て去るしかなかろう。

