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【IT記者コラム】ゆとり世代こそ2.0?
最近注目の「ニコニコ動画」で、話題のアニメ「ぼくらの」を見ていたときのことだ。投稿コメントに、「ゆとりは黙ってろ!」とあった。はて、そんな名前の登場人物か? 動画を巻き戻したところ、どうやら他の利用者への批判表現らしく、“ゆとり教育を受けた世代は(授業時間数を削減された影響で)学力も低いから、書き込む資格はない”の意味らしい。「ゆとり世代」の姪(めい)を持つ身としては、かなりショック。“ネット世代”同士で批判しあうとは。(立川優)
2ちゃんのノリ
「ニコニコ動画」は、巨大掲示板群「2ちゃんねる」管理人、西村博之氏系の会社が開設しているサイト。Web2.0らしく説明すれば、YouTubeにtwitterを組み合わせたようなもの?
要するに、2ちゃんの“ノリ”で動画に軽い突っ込みコメントを投稿して楽しむ仕掛けだ。一方、「ぼくらの」は小学館「月刊IKKI」の連載漫画で現在、アニメ版が地方テレビ局で放送中、神秘的な主題歌とともにヒット中だ。この9月、10年ぶりに映画化された「新世紀エヴァンゲリオン」をオマージュし、「十五少年漂流記」をプラス。命をエネルギーとして動く巨大ロボに少年少女が搭乗し、未知の敵を倒しながら1人ずつ死んでいく物語だ。
「エヴァ−」は、オカルトや精神分析を盛り込んだ終末論アニメで、テレビ放送は1995(平成7)年、そう、日本でのインターネット元年だ。阪神大震災やオウム真理教事件、無党派知事誕生と社会的衝撃が相次ぎ、「失われた10年」と評された平成不況の象徴の年。これを機に、ネットを“依り代(よりしろ)”として、「オタク」、「サブカル」文化と社会的事件・政治の批評が融合し始めた。そしてネットのアングラ(掲示板)文化を生み、2000年の2ちゃんブームにつながる。その主な支持層には、当時多感な20代前半だった「団塊ジュニア」世代がいた。
「ながら文化」
一方で今、ネットの主流は平成生まれの「ゆとり世代」で、「2ちゃん以前」を知らない。生活の一部として、パソコンではなくて携帯電話でアクセス、24時間オンオフの区別ない「ながら文化」。ネット世代同士で大きなギャップが生まれるのは当然かもしれない。
ネット世代間の断絶について考える人は多い。ナナロク世代(IT起業家に多い1976年生まれ)と呼ばれ、日本初のSNS「GREE」の社長、田中良和さんは、「1990年代的世界観と2000年代的世界観の間」に原因がある、と日記で書く。00年の「IT革命」を機に、社会の仕組みが根底から変わったことに気付くか▽既存の価値観を捨てて、新しい価値観を受け入れる作業に慣れているか▽そうしないと決してわからないものがあるという観念を認識しているか−がカギといい、「90年代的世界観の人は、決して00年代的世界観を理解できない」とまで断言している。
どう付き合えば…
団塊ジュニアの端くれの私だが、つい「ニコ動」のコメント表示を消してしまう。旧来の感覚かもしれないが、「見るのか書くのか、どっちかにしたい」のだ。感覚が大きく異なる「ゆとり世代」。今風に表現すれば「SNSをうまく使いつつ、緩やかコミュニケーション(ゆるコミ)を好むWeb2.0世代」と言えそうだ。だが、彼らとどう付き合って行けば良いのだろうか。確かに「世代批判」でゴマかしたくなるのだが。

