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外貨準備、年金基金運用先に人民元 チャイナマネー影響力が増大
【上海=河崎真澄】中国の通貨「人民元」を外貨準備や年金基金の運用先に組み入れる動きが広がっている。マレーシア中央銀行とノルウェーの公的年金基金が相次いで人民元建て資産への投資に踏み切った。ロシアや韓国、台湾も準備通貨に人民元の導入を検討している。“チャイナマネー”の影響力の増大が改めて浮き彫りになる一方で、米ドルや円の相対的な地盤沈下も予想される。
市場関係者が9日までに明らかにしたところによると、マレーシア中央銀行とノルウェーの公的年金基金が、中国の金融当局から国内の金融市場で取り次ぎや投資を行える「QFII(指定国外機関投資家)」の認定を受け、上海を拠点に人民元建て資産の運用を始めた。上場国有企業の株式や社債などに投資しているもようだ。
人民元を準備通貨の運用先に導入したのはマレーシアが初めてとみられる。国営新華社通信によると、ロシアのクドリン財務相も先月、同国の外貨準備に将来的に人民元を加える可能性を示唆した。ロシアは他国にルーブルも準備通貨に加えるよう提唱しており、ドルに対する“中露包囲網”ともいえる。
このほか、韓国中央銀行や台湾当局も外貨準備に人民元を組み入れることを検討している。
中国当局は海外への自由な資本移動を認めていないうえ、人民元は国際市場で他の通貨との交換に制限がある。こうしたローカル通貨を外貨準備の運用のために保有するのは異例だ。
金融危機による株価暴落でドル建て資産に深刻な損失が出たことに加え、相場リスクにさらされる国際通貨よりも、中国当局が為替レートを厳格管理する人民元の“安全性”に注目が集まっていることが背景にあるようだ。
中国当局は、輸出入の人民元建て決済を主要貿易相手国に求めており、その延長線上で、外貨準備への人民元資産の採用も要請しているという。
ただ、為替市場への規制を残したまま影響力を強めようという姿勢に、市場関係者は「自由市場への挑戦だ」と反発している。