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マンション“投げ売り”続き破綻相次ぐ 路線価 4年ぶり下落
米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に端を発した土地下落が、マンション販売の現場を直撃している。各地では新築マンションの“投げ売り”が続き、昨年度は2年前の15倍にあたる75件の分譲業者が倒産した。都心のミニバブル崩壊の影響はいつまで続くのか。
全国の新築マンション情報を集めたインターネットサイト「リビリィ」。一昨年5月から、値引きされた「アウトレット物件」の情報を掲載するようになったところ、消費者からのアクセスが急増した。値引率は高いもので30%。高額物件では1000〜2000万円が値引きされる例もある。掲載件数は500件を超える。
「販売不振で、在庫を抱えた業者がこぞって値引きを始めたのは昨年11月ごろ。破綻した業者の“倒産流れ物件”も多い」とサイトを運営する永井正喜社長。値引き物件はつくばエクスプレス沿線など郊外に多いといい、「経済悪化がなければ売れていたのでしょうが」と話した。
民間信用調査会社「帝国データバンク」によると、昨年度に倒産したマンション分譲会社は計75件。ミニバブルの続いた18年度には5件だったが、リーマンショックでミニバブルがはじけ、資金繰りに窮する企業が相次いだ。
目立ったのは、前年度の決算で過去最高益を出した企業が“突然死”するいわゆる「黒字倒産」だ。
今年2月に会社更生法の適用を申請した東証1部上場「日本綜合地所」は20年3月期に経常利益が115億円を超す最高益を出しながら、販売不振で資金繰りが悪化。採用が決まっていた学生53人の内定を取り消したり、モデルルーム来場者に5000円の商品券を配ったり、大胆な値引きで販売攻勢をかけたが及ばなかった。
景気悪化による買い控えに加え、地価の下落で土地の担保価値が目減りし、銀行の融資が滞ったことなどが追い打ちをかけた。「前年度まで黒字だった企業が突然に破綻する。風を読み違えたとしか言いようがないが、ここ1年間の経済情勢の変化はそれほどまでに激しかった」(帝国データバンク情報部)という。
不動産不況が続けば、さらなる地価下落は避けられない。不動産経済研究所の角田勝司社長は「地価下落で税収が減れば、日本はますます貧乏国家になってしまう」と指摘。また、担保価値が下がれば、思うように融資が受けられず「新たなビジネスが出てきにくい状況になるのでは」と懸念する。
国土交通省が先月30日に発表したまとめによると、今年の新設住宅の着工戸数は75万8000戸と、100万戸を超した前年に比べ大幅減少する見通しだ。角田社長は「このままでは不動産不況が好転する見込みはない。打破するには国内外の資金を動かすインパクトが必要。いまそれができるのは『東京五輪』ぐらいじゃないのか」と話した。

