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【正論】メガ銀行は人知で制御可能か 東大教授・西垣通 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
未曾有の大プロジェクト
三菱東京UFJ銀行のオンライン・システムが昨年12月に完全統合され、5カ月が過ぎた。旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が合併したのは2006年1月で、この時にはとりあえず、両行の既存の勘定系システムを並存させ、それらを相互接続しただけだった。つまり、両行店舗のどのATM(現金自動預払機)からどちらの勘定系システムにもアクセスできるようにしたわけだが、当然インターフェース(接続装置・回路)の細かい相違は残っていた。しかし今回の完全統合で、共通勘定系システムが完成し、すべての店舗で同一のサービスを提供できるようになったという。
経営統合が発表された2004年から足かけ5年を要したことになる。完全統合までの道のりは大変きびしいものだったようだ。当初予定されていた05年秋の合併が3カ月延期されたのも、相互接続のための技術的困難のせいだったと聞く。システム完全統合も一昨年完了のはずだったが、1年延びたのである。予算的にも、当初1500億円と見込んだ統合費用が3300億円までふくらんだ。まさに未曾有の規模のシステム統合プロジェクトといえる。
中途段階で細かいミスもかなり見つかったというし、サービス共通化の過程でユーザーが戸惑ったという話も耳にした。だが、これだけのプロジェクトを大過なくやりとげた担当技術陣に心から拍手をおくりたい。世間にはちょっとしたATM機能の不具合を大声で責めたてる人がいるが、いったいリアルタイムで動作している巨大システム同士を統合するという仕事がどれほど技術的に困難なものか分かっているのだろうか。

