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【正論】ニューディール「連合」の教訓 慶応大学教授・曽根泰教 (1/3ページ)

2008.12.30 03:04
このニュースのトピックス正論

「とりあえず」では困る

 「100年に1度の危機」という認識がありながら、それへの政策が「まずは景気対策」ではいかにも軽い。会合で顔をそろえて「とりあえずビール」というような印象を受けるし、そこで出される政策も昔ながらの「居酒屋メニュー」ではないか。

 世界に拡散した金融危機に対応するためには、世界的な金融破綻(はたん)を食い止めることが第一にくる。先のG20(緊急首脳会合)でも決定的な解決策は示されなかった。戦後世界の金融と貿易の枠組みを決めた「ブレトンウッズ会議」(1944年)を手本とするような新たな枠組みを作ることが必要である。

 日本でも金融機関の不安定化に起因するさまざまな影響が出始めた。まっとうな企業が資金繰りができないために立ち行かず、「黒字倒産」の憂き目にあう。この厳しい現実には緊急の政策的な対応が必要だ。と同時に、金融システムの再構築という中長期の展望がなければ、この難局を乗り切ることはできない。

 では、どうすれば、実体経済の冷え込みへの対策として十分といえるのか。私も、従来の「(景気対策には)まず財政出動」という条件反射的対応には批判的であったが、今回の危機はそのレベルのものではない。世界中で短期の急激な需要不足が発生し、それを政府が補う必要が出ているのである。

 政府の政策で不足分をすべて補うことはできない。だが、危機に対する政策を21世紀版「ニューディール政策」という主張にまとめることはできる。その際に私は、途上国には無理だが日本やアメリカなどなら可能なニューディール政策として、「グリーンインフラ」と「健康インフラ」への投資があると考えている。

グリーンと健康インフラ

 雇用だけを考えると、過去のニューディール政策のようにダム建設や植林もありうるが、現代のニューディール政策とは、将来行うべき投資の前倒しを、政府が中心となって加速させることである。

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