[PR]
ニュース: 経済・IT RSS feed
【正論】金融危機をチャンスに変えよ 京都大学教授・佐伯啓思 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
手段選べぬ緊急事態だが
アメリカのサブプライムローン問題、リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に端を発する世界的な金融危機は、現在のところ小康状態に見える。しかし、もし100年に1度の真の「危機」が来るとすればそれは今後のことである。実体経済への影響が明るみにで、それがいっそう金融市場の混乱を招くという悪循環に陥れば、文字通りの世界大恐慌になりかねない。「世界同時不況」程度で済むのか「世界大恐慌」に至るのかは、麻生首相もいうように、確かにこの数カ月がひとつの山場であろう。
という次第であるから、先日のG20(緊急首脳会合)の世界金融会議において、金融取引規制の方向が打ち出され、可能な限りの財政出動が各国に要請されるのは当然のことである。すでに、アメリカおよび先進国は金融機関救済のために多額の資金を注入した。公定歩合はいっせいに下げられ、日本もスワップ協定によってドル準備を増強し、今回はIMF(国際通貨基金)に資金融資を行うことになった。さらには、国民給付金まで支給するという。
これらは、ある意味では緊急事態であるからやむをえない処置であろう。1929年の再来を防止するには手段を選んではおれない、ということであろう。
「構造改革」は失敗だった
それはそれでよいのだが、問題は、このアメリカ発の金融危機からわれわれは一体何を学ぶかである。多くのものが敢(あ)えて、正面から論じようとはしないことがある。そして、もはや、その議論を避けて、ただ緊急事態をやり過ごすだけではすまなくなっている。それは、将来、いっそう深刻な事態を招きかねないのである。
このニュースの写真
[PR]
[PR]

