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【主張】道路特定財源 一般財源化の理念に戻れ
揮発油税など道路特定財源の一般財源化をめぐり混乱が拡大している。「生活対策」に盛られた「1兆円の地方移管」で道路族や地方が対立しているからで、ここは一般財源化の理念に戻って見直したらいい。
道路特定財源はねじれ国会で混乱を極めた末、福田康夫前首相の決断で暫定税率を維持したまま来年度からの全額一般財源化が決まった。その具体策は年末に向けた税制改革に委ねられた。
ところが、地方活性化を理由に麻生太郎首相の強い意向で1兆円を地方に回すことが生活対策に盛られたことから、税制改革そっちのけの混乱となったわけだ。
全国知事会など地方は、すでに揮発油税から振り向けられている地方道路整備臨時交付金0・7兆円と1兆円を別枠とし、使途が自由な地方交付税として合計1・7兆円を要求している。景気後退による国の税収減に伴って減る地方交付税の穴埋めだという。
道路族や国土交通省は地方道路整備臨時交付金に0・3兆円上積みした1兆円と解釈し、使途を道路整備としている。交付税にすると道路財源が確保できないとの思惑による。肝心の首相は見解を二転三転させるばかりだ。
そもそも、小泉構造改革で着手した一般財源化の理念とは無駄な道路建設の温床である特定財源を社会保障などに有効に使い国の財政健全化に貢献することだった。福田前政権にも「環境税」への一部組み替えが視野にあった。
一般財源化と暫定税率維持に反対していた自動車業界やドライバーは、こうした理念があったから何とか理解を示したのである。今回の混乱はその理念からかけ離れていると言わざるを得ない。
いまだにこれを特定財源とみている道路族はもちろん、地方の理屈も極めておかしい。道路財源の国税分は3・3兆円であり、地方に1兆円を回すだけでも一般財源化の理念実現は困難だろう。
地方は国と違って基礎的財政収支が黒字であり、使途自由の財源が要るなら地方の道路特定財源を一般財源化すれば済むはずだ。仮に1兆円を地方に回すなら、せめてその分を本来の地方交付税から差し引くのが筋だろう。
このままでは民主党だけでなく、産業界や国民の間でも暫定税率廃止論が再燃しかねないのではないか。首相は改めて一般財源化の理念を想起することだ。