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マネー狂乱(上)破綻したドル金融主導型モデル (2/2ページ)

2008.8.28 01:49
このニュースのトピックスサブプライムローン

 住宅バブルのもうひとつの副産物が金融派生商品(デリバティブ)と呼ばれる市場である。住宅ローンは証券化されて売り買いが容易になったが、相場変動のリスクが発生する。このリスクの歯止め策としてデリバティブが急速に膨張し、米銀のデリバティブ資産は貸し出しなど通常の総資産の18倍にのぼる。主力の顧客が米住宅金融の本丸である連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)で、両機関はデリバティブで巨額の損失が表面化して経営危機に陥っている。

 原油や穀物の先物市場もデリバティブの一部で、その相場高騰も、住宅バブル崩壊に伴って余剰資金が殺到したためだ。まさしく「デリバティブは大量破壊兵器」(全米最大の投資家、W・バフェット氏)といえる。

 こうみると、現在の世界の経済困難は歴史上かつてなかった「ドル金融主導型モデル」の破綻(はたん)である。住宅バブルにより作り出された米国の消費市場もまたバブルであり、住宅バブル崩壊とともに縮小するのは当然の調整過程だ。

 日本や中国経済の立ち直りは米金融市場の安定回復にかかっているが、米金融主導の限界は明らかだ。自身の余剰資金を自国で使わず、金融市場に流してはバブルを助長し、その分、米国にモノを買ってもらう構造から脱するよう改革しなければならないという点では、日本も中国も同じ課題を抱えている。(編集委員 田村秀男)

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