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日銀の景気認識下方修正 難しいかじ取り必至
日銀が15日の金融政策決定会合で景気認識を下方修正し、日本経済の減速感が鮮明になった。原材料価格の高騰が企業収益を圧迫し、生活必需品などの値上げも相次ぎ、個人消費を萎縮(いしゅく)させている。米国では政府系住宅金融会社の経営危機の表面化で金融不安も再燃し、輸出関連を中心に日本企業の業績への影響も懸念される。国内外で先行き不透明感が強まる中、日銀も金融政策で難しいかじ取りを迫られるのは必至だ。
「交易条件の悪化(輸入物価の上昇)が企業収益を圧迫し、設備投資の増勢を鈍化させて、個人消費も伸び悩んでいる」。日銀の白川方明(まさあき)総裁は会見で、景気見通しを下方修正した理由をこう説明した。
原油価格が1バレル=140ドル台の高値圏で推移し、原材料価格の上昇に歯止めが掛からず、6月の国内企業物価指数は約27年ぶりの高い伸びを記録した。日銀の6月企業短期経済観測調査(短観)では大企業製造業の景況感が3期連続で悪化した。日銀の今月の支店長会議でも、物価高の影響で個人消費の下振れを指摘する声が各地域から相次いだ。
一方、米経済など世界経済にも「下振れリスクがある」(白川総裁)。米政府と連邦準備制度理事会(FRB)が、株価が暴落した住宅金融公社の救済策を発表したが、かえって米経済への不信がドル安を招き、割安のドル建ての原油に投機資金が流れ込み、原油高につながる負の連鎖は依然断ち切られていない。
白川総裁は「物価は当面上昇率が高まった後、徐々に低下していく。景気も当面減速が続くものの、次第に緩やかな成長経路に復していく」と先行きをみる。物価上昇と景気後退が同時進行する「スタグフレーション」の懸念を指摘する声にも、「その局面に入っていない」と否定する。
ただ、白川総裁もこうした楽観的な見通しについて、「不確実性はある」と認める。日銀はインフレ抑止のための利上げにも、景気を下支える利下げにもにわかに動けず、打つ手を探しあぐねているのが現状だ。
(本田誠)