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競争力維持へ日米に先行、国際協調にほころびも (1/2ページ)
このニュースのトピックス:景気
欧州中央銀行(ECB)が利上げに踏み切ったのは、ユーロ圏の国際競争力を維持する上でインフレ懸念が看過できないレベルに達したからだ。だが、金融緩和で足並みをそろえてきた日米欧金融当局の一角が崩れ、金融市場や世界経済の不安定化を招く懸念もぬぐえない。
ユーロ圏の6月の消費者物価は前年同月比4・0%増で、ユーロ導入以来の上昇率を記録した。ニッセイ基礎研究所の伊藤さゆり主任研究員は「ECBは景気と物価の両にらみでの様子見姿勢から、利上げ姿勢に転換した」とみる。
欧州が日米に先んじて利上げへ舵を切ったのは、ユーロ圏特有の事情もある。欧州ではフランスやスペインなど賃金が物価に左右される国が多い。「これらの国で物価に連動した賃金決定が行われると、一層の競争力低下が進み、景気停滞が長期化する恐れがある」(伊藤氏)ため、ECBとしても金融引き締めで物価の抑制に乗り出した。
しかし、今回の利上げによって、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の表面化以降、金融緩和でスクラムを組んできた中央銀行の結束は揺らぐ。日本は原材料高が企業収益の下振れ要因ともなり、景気後退の瀬戸際で利上げには踏み切れない。米連邦準備制度理事会(FRB)も金融不安の再燃で利上げ観測は後退した。