ニュース: 経済・IT RSS feed
《直球緩球》三井住友海上火災保険の江頭敏明社長
−−持ち株会社「三井住友海上グループホールディングス」が発足した
「三井住友海上火災保険だけが傘下に入ったが、三井住友海上きらめき生命保険、三井住友海上メットライフ生命保険、三井ダイレクト損害保険の3社も早ければ6月の株主総会後にも傘下に入れて完全な体制にする」
−−移行を決めた理由は
「グループ全体としてガバナンス(企業統治)を効かせることが一番の目的だ。グループ内の事業範囲は大きく広がっており、持ち株会社が人、物、金といった経営資源の配置など全体的な戦略を策定する。傘下の経営陣はそれぞれの事業分野に専念することで、グループ全体として効率的に成長する」
−−グループ力の向上策は
「人事面では、グループ各社の交流を活発化させる。各社に生え抜きの社員がいるが、能力や希望があれば他の事業会社に異動させて活躍の機会を与える。グループ内で人材を有効活用することで力が増す。新体制の人事でもグループの生損保会社社長に若い人間を置いたが、現場レベルでも積極的に起用を行う」
−−国内損保事業は少子高齢化などで苦境が続く
「厳しい状況だが、社会の進展につれてリスクも多様化し、それに対応できる保険会社には成長の余地があると信じている。商品面では個人向け保険商品で共通ブランド『GK』を創設する。第1弾として5月に自動車保険『GKクルマの保険』を発売するが、今後は火災保険や生保商品でも共通ブランドとして展開し、分かりやすい商品内容で三井住友海上グループのブランド力を高める」
−−国内損保の海外展開が積極化している
「今後力を入れるのはアジアで、とりわけ中国とインドは急成長が見込めるので注目している。他の新興国でも可能性が高い国は多く、EPA(経済連携協定)など自由化が進展すればビジネスチャンスも広がる。タイミングを逸しないよう注意している。欧州でも、昨年10月からドイツで現地企業向けの保険事業を開始したが、こういったローカル事業を欧州各国で広げていきたい」
−−持ち株会社化で国内損保のM&A(企業の合併・買収)も進めやすくなる
「そんな意図を持って持ち株会社を設立したのではないし、現時点でまったくそんな話はない。だが、将来どうなるかは分からない。将来的にM&Aという選択肢を検討する可能性はある」(三塚聖平)
◇
えがしら・としあき 慶大法卒。昭和47年大正海上火災保険(現三井住友海上火災保険)入社。常務執行役員などを経て、平成18年6月に社長就任。長崎県出身。59歳。

