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【円ドル人民元】「それでもドルは暴落しない」 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:国際金融
政府機関では毎月400億ドル前後もの外貨準備を増やしている中国が最大手の買い手である。「ミスター債券」のあだ名のあるポールソン米財務長官がブッシュ米大統領の名代で最近北京を訪ね、胡錦濤総書記をはじめ要人と会うのはいわばお得意さん回りみたいなものである。ブッシュ政権がなぜチベットの人権問題で強硬姿勢をとれないか、という背景でもある。
米国が世界から支えられる国債相場をてこにドル安政策をとると、皮肉なことに日本などにツケが回る。自国の通貨が上昇圧力を受ける日本や欧州、さらに中国、インドなど輸出依存度の高い新興国の経済が揺れる。日本などでは輸出企業の収益力低下が懸念されて株価は下落する。アラブ産油国や中国などの余剰資金の運用を任せられているロンドンやニューヨークの証券会社は、米国株売却に合わせてこれら海外株保有を減らすからである。
短慮は禁物である。97年には橋本龍太郎首相(当時)が訪米時に「米国債を売りたいという衝動に駆られたことがある」と公言し、ニューヨーク市場が大きく揺れた。米国から不信を買った同首相の政治生命が失われた瞬間でもあった。
世界が米国債を買い支えなければならないのは、ドル基軸による国際金融体制に代わる仕組みがないことにある。それが冷徹な現実である以上、日本企業は円の対ドル相場に左右されない強固な体質を目指すしかない。(編集委員 田村秀男)