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【正論】たばこ千円は今や現実的選択 日本財団会長・笹川陽平 (2/3ページ)

2008.4.3 03:19
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国の財政は危険水域

 これに対し賛成論は、たばこ規制が強化され喫煙率が年々低下する流れを反映して「本人だけでなく周りにも健康被害を招く喫煙を野放しにしてきたこと自体が問題」「規制は当然」とする意見が大半。「大幅値上げで少年の喫煙が抑制され、非行防止にもつながる」「禁煙推進は火災予防にもつながる」といった指摘も目立った。火災に関しては総務省消防庁の昨年1〜9月の全国統計で、たばこが原因となった火災は期間中に起きた全火災約4万2000件のうち10・5%の4430件に上っており、禁煙が火災防止に確実な効果を持つのは間違いない。

 健康にたばこが有害であるのはWHO(世界保健機関)をはじめとした各種調査結果から見ても疑問の余地はない。だからといって私は特段のたばこ規制論者ではない。にもかかわらず大幅値上げを提案するのは喫煙、嫌煙両派から無節操と批判されるかもしれない。今回、それを承知であえて大幅値上げを提案したのは、国債や借入金など国の債務残高が800兆円まで膨らんだ国家財政の現状を意識してのことである。明らかに危険水域に入っており、打開策のひとつとして消費税の引き上げが避けて通れないことは誰もが認識しているのに、現在のねじれ国会ではその論議が軌道に乗る可能性はない。

 この場合、消費税の引き上げで見込まれる税収増は1%で約2兆4000億円。一方、たばこを欧米並みの1箱1000円に値上げした場合の税収増は、現在の消費量を前提にすると9兆5000億円、消費税の4%に相当する。もちろん消費量が大幅に落ち込むのは避けられないと想像するが、それでもなお大きな税収増が見込め、年金や医療、介護を含めた社会保障関連の財源としても活用できる。

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