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【主張】新銀行東京 都民無視した追加出資だ
経営が悪化している新銀行東京に対し400億円を追加出資する議案がきょうの本会議で成立する予定だ。26日に都議会予算特別委員会で可決された。
再建への青写真がきちんと描けていないのに、都議会与党の自民、公明両党は石原慎太郎知事ら都側の言い分をあっさり認めてしまった。破綻(はたん)が懸念される銀行に、十分な議論もなく、都民の巨額の税金を投入する与党の判断は無責任である。
知事は委員会質疑の最後になって「最終責任はトップであるわたしにある。深くおわびする」と謝罪した。それに釈然としない都民は多いのではないか。
なぜ、こうも新銀行の延命にこだわるのだろう。
知事自身でさえ、たとえ増資したとしても新銀行の単独での再建が難しいことを認めている。2期目の選挙公約で新銀行設立を提案した経緯があるとはいえ、清算を含めた事業撤退を考えることこそ、都の損失を最小にする道であることを知事は認識すべきだ。
知事は、野党都議らの質問に対し、再建案の詳細を明確に説明せず、「新銀行を清算すればさらに1000億円かかる。取引先の破綻もある」と語るだけだった。
追加出資に賛成した都議会与党議員らの責任も重い。開業3年目で累積損失が1016億円に達し、ほぼ同額の出資金を減資して穴埋めすることになるのに、その説明責任は果たされなかった。来年夏の都議選に向けた思惑が優先されたともいわれている。
これまで、追加出資をしても経営が改善される保証はなく、むしろ税金投入が無駄になる公算が大きいと何度も指摘してきた。
理由は再建計画が信用できないからである。今後、店舗を1カ所にして行員を大幅に減らし、預金と貸出金も信用組合と同等の規模に縮小するという。
それでも、破綻状態の取引先への融資は続け、ベンチャー企業向けの融資も新規に開拓する。行員を減らしながらどうやって営業力や審査機能を維持するのか。
存続する大義名分も失っている。中小零細企業向けに無担保・無保証で融資することが設立の目的だったのに、今後は担保が確実な融資先にしか貸さない。融資条件のよい民間金融機関はほかにもある。
「官業銀行」が存続する意味はあるまい。