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【円ドル人民元】ドルの地雷原はカリブ海 (1/2ページ)

2008.3.16 17:45
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 一時1ドル99円台にもなった円高・ドル安。日本人特有の自虐趣味か、「日銀総裁人事の混迷」のせいにする向きもあるが見当違いもはなはだしい。真相はドル安であり、その主犯はカリブ海に巣くう巨大な「幽霊マネー」である。

 「チャイナ・ボーチー(中国博奇)」という中国企業をご存じだろうか。昨年7月に「中国本土企業」として初めて東京証券取引所第一部に上場した。北京の環境関連企業である。ところが本社はカリブ海のケイマン諸島にある。実際には、現地に社名が登録されているだけである。

 中国企業に限らない。アラブ産油国の政府系ファンドや王族、アジアやアフリカの汚職高官のカネなど世界の余剰マネーがカリブ海のケイマン諸島などタックス・ヘイブン(租税逃避地)に集まり、米国初め世界に再配分される。もちろんそれはコンピューターの暗号とパスワードで保護された電子空間の帳簿だけで、現金や証券の現物が移動するわけではない。

 カリビアン・ブームになったきっかけは、2001年9月11日の米中枢同時テロである。米議会はテロリストの資金源を抑えるために、米国の金融機関の口座保有者を徹底的に調べる「愛国者法」を制定した。この結果、正体がばれることを嫌う世界の投資家や大金持ちが資金を米国外に移した。最初の受け皿になったのがロンドンや香港など国際金融センターである。これらを拠点に余剰資金はさらにカリブ海という隠れ家に移り姿も足跡も消してきた。

 巨額の余剰マネーはこう迂(う)回(かい)して米国の銀行や証券の口座に流れ込んでいる。米財務省統計によれば、米金融機関が外国から調達した資金の残高(対外負債)は、2007年12月末で4兆6473億ドルで、このうち40%強がカリブ海、次いで英国22%と続く。日本は3・8%に過ぎない。つまり、リヤドか北京か真の資金源がばれないカネが英国、カリブ海の2カ所だけで2兆9225億ドルに上る。一日当たりの世界の外国為替取引は3兆2000億ドルといわれる。米金融機関の口座に入っている余剰マネーが暴れ出した今、ドルが揺れるのは必然だ。

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