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【主張】G7 日本の金融危機の共有を
東京で開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、米景気の後退懸念が一段と強まる中で、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題を契機に動揺する金融市場の安定化策が主要議題となった。
世界経済の減速懸念を共有した各国は共同声明で、「金融機関による資本の増強が正常な市場機能の回復に重要」と明記した。G7がいま学ぶべきことは日本の金融危機の教訓だ。
今回のG7は、米国経済が第一の議題だった。各国の当局者らは、米景気の現状認識や緊急景気対策を説明するポールソン財務長官の話に耳をそばだてた。サブプライムローンの焦げ付きをめぐる金融危機は世界に拡大している。米連邦準備制度理事会(FRB)は緊急利下げを実施し、米政府も減税による財政支援に打って出た。
だが、市場はなお、先行きに対する不安を抱いている。「モノライン」と呼ばれる米国の金融保証会社の経営難が表面化したため、米国の緊急政策の効果を疑問視しているためだ。
危機への正しい認識が必要である。利下げは間接的な効果はあるが、根治治療には不十分だ。将来のインフレという副作用も懸念される。日本は金利水準が低く利下げの余地はない。欧州もインフレ抑制を優先している。実は協調の自由度は少ないのだ。
米国で起きているのは損失が拡大し、資本不足に直面した金融機関による貸し渋りである。貸し渋りは企業倒産などを通じて実体経済の足を引っ張り、金融危機の連鎖を引き起こしかねない。住宅バブルの崩壊と株価急落は個人消費を冷やし始めている。米経済はリセッション(景気後退)入りの瀬戸際にある。G7各国は米国発の金融危機が各国の実体経済だけでなく、中国やインドなどの経済成長にもブレーキをかけるとの懸念を強めている。
日本の教訓を学べば、米国の取るべき手段は定まってこよう。日本は財政出動、金融緩和というマクロ経済政策に頼りすぎて、政策が後手に回った結果、金融機関の相次ぐ破綻(はたん)に見舞われた。日本の金融危機からの教訓は素早い損失の確定と公的資金の投入も辞さないという決意以外にあるまい。
米国は世界を不安に陥れている震源地としての自覚を持ってほしい。