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【主張】郵政・日通提携 スリム化忘れてはならぬ
今月1日に民営企業としてスタートしたばかりの日本郵政グループが、国内物流最大手の日本通運との包括的事業提携を決めた。「ゆうパック」「ペリカン便」で知られる両社の宅配便事業を統合、来年10月をめどに共同出資の新会社を設立し、日本郵政か、傘下の郵便事業会社の子会社にするという。
日本郵政では、ゆうちょ銀行もスルガ銀行と住宅ローン業務での提携を決めている。「攻めの経営」「スピード経営」が西川善文・日本郵政社長の信条だ。組織に染みこむ「官業体質」を変えるにはM&A(企業の合併・買収)はじめ、民間企業との連携が重要であることを再三説いていた。
とりわけ、郵便事業会社の置かれた経営環境は厳しい。
電子メールの普及で郵便の市場規模が急速に縮小する一方、期待された国際宅配便もオランダの国際物流大手TNTとの提携が破談になるなど思うような絵が描けていない。
それだけに、日通との包括提携は、ヤマト運輸、佐川急便という2社で国内宅配便シェアの約7割を占める2強との戦いに割って入るのに必要な策だったといえる。
それでも、日本郵政の積極戦略には大きな懸念を覚えずにはいられない。その一つは、日本郵政と民間の競争条件には、まだ差があるからだ。郵便だけみても、はがきや手紙など一般信書便を扱うには、10万本以上のポスト設置などが義務づけられ、事実上新規参入は不可能だ。郵便局施設などの税制優遇措置も当面は残る。
日本郵政が、積極路線をひた走るようだと、こうした優遇措置の早期撤廃、参入条件の緩和なども検討してしかるべきであろう。
さらには、郵便事業の収益確保が難しいといわれているにもかかわらず、必須条件である大胆なリストラを進める気配が見えない点である。郵便事業会社は約10万人の社員をどこまで絞り込むのか。郵便局の統廃合、ファミリー企業の大胆な整理など直ちに手をつけるべき問題は山積している。
公正な競争とスリム化を前提としない収益力強化は、郵政民営化の趣旨に反するだけでなく、その効果を減殺し、いたずらな肥大化を促進するだけに終わりかねない。