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税金に駆逐される! 民主政権に怒りのフェリー業界 (2/2ページ)
前原国交相は「(フェリーなどに)実害が出てから補償するのではなく、事前に手を打ちながら進める」とも話したといい、大臣と副大臣2氏の間に無料化の是非について温度差があることを確認した。
フェリー以外にも、鉄道やバスなど他の交通機関の業績にも打撃を与えることが予想され、JR旅客と貨物の計7社は「高速道路が無料化されれば、年間計830億円の減収になる」として、無料化の見送りを求める要望書を国交省に提出した。
当事者でもある東日本、中日本、西日本の高速道路会社の3会長らも無料化には慎重な姿勢で一致。このように反対の声が相次ぐ状況で民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた高速道路無料化について、どう決断を下すかが注目を集める。
四国開発フェリー(愛媛県)の瀬野恵三副社長は「野党時代の不十分な情報で政権公約を打ち出したのだろう。だが、与党で正確な情報に触れたからには“君子は豹変”してもらわないといけない。民主党が君子ならば」と期待を寄せる。
サバイバル
利用者減にあえぐフェリー業界では生き残りをかけた企業努力が続くが、10月1日には防予汽船(山口県)が民事再生法の適用を申請。兵庫県の明石市と淡路島を結ぶ明石淡路フェリー(愛称・たこフェリー)は、給与削減を決めたことで社員の約3割が退職し、運航便数を3分の2に減らす事態に陥るなど、苦境が浮き彫りになっている。
昭和43年に初めて長距離フェリーを運航した先駆者として知られる阪九フェリー(北九州市)でも10月から、1日2往復だった泉大津港〜新門司港間を1往復に減便した。関西汽船(大阪市)とダイヤモンドフェリー(大分市)は経営統合を視野に共同持ち株会社を設立して事業再編を進めている。
フェリー業界は、高速道路との競争力が拮抗(きっこう)する水準まで、フェリー利用者にもインセンティブを支給することなどを求めるが、国に船舶を買い取ってもらって運航だけを請け負う形でないと経営が継続できないと主張する会社も。和歌山、徳島両県の支援で乗用車片道千円の割引料金を試行し、利用者を大きく伸ばした南海フェリー(和歌山市)の兜秀昭社長はこう話す。
「条件が同じならば、高速道路にも競争力があると証明できた。ただ、支援は今年度限り。そうなると後1〜2年を持ちこたえる体力はない」(松岡達郎)



