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【始動プルサーマル】(上)“一番手”に重い責務 (3/3ページ)
電事連の目標達成の最大の課題は、本来なら業界をリードすべき東京電力。相次ぐトラブルや不祥事で地元同意を取り付けるのは容易ではないが、“雪解け”の兆しも出ている。
福島県知事の佐藤雄平は今年7月、14年のトラブル隠しで地元同意が白紙撤回された福島第1原発3号機(大熊町)でのプルサーマル発電について、7年ぶりに議論を再開することを受け入れた。
日本は、ほとんどを海外に依存する原油に加え、ウランは全量を輸入に頼っており、エネルギー自給率は先進国中最低の4%にとどまる。原子力再評価を受け、欧米に加え、中国やインドといった新興国でも原発新設の動きが活発化しており、今後、ウラン原料の争奪戦が一段と激化するのは確実だ。
使用済み燃料を再利用するプルサーマル発電が本格的に動き出せば、「年1〜2割のウランを節約できる」という。
プルサーマルのメリットはまだある。日本原燃社長の川井吉彦は「使用済み燃料をそのまま地中に埋設処分するのに比べ、再利用すれば、高レベル放射性廃棄物の体積を3分の1から4分の1に減らせる」と指摘する。
課題は山積
一方で、プルサーマル発電の着実な実施以外にも課題は山積している。現状では、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理と、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料への加工を行う工程が欠けており、サイクルの輪がつながっていないのだ。
玄海3号機で使用されるMOX燃料も、国内から使用済み核燃料をわざわざ海外まで運び、英仏企業に再処理と加工を委託している。費用負担に加え、輸送時の安全の確保など、そのコストは重い。
再処理工場と加工工場が設けられる青森県六ケ所村。県知事の三村申吾は5日、「プルサーマルを含む核燃料サイクルの推進は国、事業者に要請してきたことで、大きな前進と受け止めている」とコメント。日本原燃の川井も「大変喜ばしい」と評価した上で、試験運転中の再処理工場について、「安全を最優先に慎重に取り組む」と誓った。
だが、再処理工場は、当初計画よりも10年以上遅れ、ようやく来年10月に完成する予定だ。
「これ以上遅れると発電所のサイト内に使用済み核燃料が蓄積し、新たな問題が起きかねない」
四国電力副社長の眞鍋省三は5日に都内で開かれた会見で、再処理工場の必要性を改めて訴えた。
さらに加工工場の完成は、現在の計画通りに進んだとしても27年6月まで待たなければならない。
それまで再処理工場で取り出したプルトニウムを安全に保管する必要がある。再処理過程で出てくる高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、建設候補地すら決まっていない。難題は次々にふりかかってくる。
悲願の核燃料サイクルはプルサーマル始動で一歩前進したにすぎない。まだまだ続く高いハードルを越え、輪をつなぐことができるのか。関係者の試練はこれからが本番だ。(敬称略)



