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自転車操業、現場は「手足」…バンキシャ!虚報を糾弾
「いろいろ取材しているようだが、実際はほとんど一歩も根拠の収集に向かわなかった」。日本テレビ「バンキシャ!」の虚偽報道について、BPO検証委が30日に示した勧告は、安易な取材方法についてだけでなく、放送日程に追われる“自転車操業”の実態や取材者の責任感の欠如など、報道番組のありようを厳しく批判した。
「1週間では十分な取材ができないテーマでも、何とかその週に放送することが求められていた」「放送日に合わせて無理やり取材を間に合わせる」…。勧告は、虚報の根本的な原因として、取材の過密スケジュールを挙げた。
問題となった裏金報道の場合、情報収集を始めたのが昨年11月3日。当初の放送予定は6日後の9日だったという。結局、放送は23日となったが、その2週間も、「情報源の特定につながる」などと、情報提供者以外の裏付け取材には動かなかった。勧告は「真実と信じるに足る根拠」を取材する意志がみられなかった、と糾弾した。
取材チームの判断力や責任感の欠如も指摘された。勧告によると、現場に赴いた番組スタッフは、「幹部スタッフが取り上げると決めたからには、情報提供者の信用性はすでに判断されている」と思いこんでいたという。取材現場に真偽の判断が委ねられていなかったことも、虚報の一因になったとみられる。
東京工科大学の碓井広義教授(メディア論)は「問題の背景について勧告は、日テレ社員が『頭脳』で外部スタッフが『手足』という役割分担のせいだったかもしれないと表現している。幹部スタッフである『頭脳』も、現場で動いていれば問題は起きなかったということだろう」と指摘する。
さらに、「ドラマやバラエティー番組も作るテレビに対して、報道の重要性を指摘する内容となっている。日本テレビの内部資料も精査しており、高く評価したい。日テレは8月の検証番組で、何をどう間違えたのか、形ばかりでなく、再発防止の具体策をきちんと自分たちの言葉で伝えてほしい」と話している。
一方、記者会見した検証委の服部孝章委員は「決してバンキシャだけの特殊な事例ではない。これまで委員会が扱ったいくつもの事例に同種の傾向がみられる」と述べ、報道機関が真摯(しんし)に問題を受け止めるべきだと強調した。
■放送倫理検証委員会 BPOが2年前に新設。脚本家の市川森一さんら有識者10人で構成。視聴者に虚偽内容だと著しく誤解を与えた疑いがある番組について調査、審理。放送局に対し委員会の考え方を示す「見解」や、一定の行動を求める「勧告」を出す。





