ニュース:経済・IT RSS feed
「電子看板」に脚光 新たな広告手法として期待
街頭や商業施設に置かれたディスプレーに広告を表示する「電子看板(デジタルサイネージ)」が、注目を集めている。デジタル通信技術を活用して画像や動画を表示するのが特徴で、「新しい広告手法」として流通業界で導入が進んでいる。電機メーカーなども提供に力を入れ始めた。
NECは、専用ディスプレーの提供から表示コンテンツの作成まで、電子看板に必要なすべてのサービス提供を7月から開始。これまでシステムを個別に作っていたため、コストがかかったが、月額数万円からの利用を可能にしたという。顔認証技術で端末の前に立った客の年齢や性別を推定し、属性にあった広告を自動表示する機能もある。
今年4月には専門部署を新設。「不況下で成長が期待できる事業」(NEC)と20年度に約30億円だったこの事業の売上高を、今後3年間の累計で500億円に引き上げる計画だ。
大日本印刷も専門部署を新設したほか、昨年4月に一足早く本格参入した富士通は、みずほ銀行の支店に計1400台のディスプレーを順次設けている。
電子看板の「武器」は、設置場所に応じて表示内容を変えられるなど、チラシのような紙広告では難しい展開ができること。きめ細かい情報提供で顧客を取り込めるため、流通業界での導入が目立っている。
イオンは6月から、関東地区の「ジャスコ」の30店舗で日立製作所製のシステムを導入。店舗付近の地域で運動会があれば、弁当食材の広告を表示するといった情報提供に余念がない。20年度に一部店舗で実施した実証実験では、対象商品の売り上げが倍増する効果を示したという。食品スーパーのいなげややマルエツも導入を進めており、宣伝効果が期待されている。
不況の余波で広告費用を切りつめる“逆風”が吹く一方、富士キメラ総研は20年に約650億円だった電子看板市場が22年に約780億円に拡大すると予測。「効果が実証されることで利用が一気に伸びる可能性がある。数少ない成長分野であることは間違いない」とみている。

