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ビッグ3「最悪」回避も保護主義台頭に懸念 日本メーカー
「世界中の自動車メーカーにとってビッグスリー(米自動車3大メーカー)の破綻(はたん)は良いことではない」
ホンダの福井威夫(たけお)社長は以前から、経営危機に陥ったゼネラル・モーターズ(GM)など3社についてこう述べていた。ブッシュ米大統領がビッグスリーへのつなぎ融資を決めたことで、日本メーカーにとって、「暗黒のクリスマス」という最悪のシナリオはひとまず回避された形だ。
日本メーカーが恐れていたのは現地の部品メーカーや販売会社の連鎖倒産だ。トヨタ自動車の車を受託生産する富士重工業の「SIA」(米インディアナ州)では、「取引額の11%をビッグスリーと関係した部品メーカーが占める」(富士重の森郁夫社長)という。これは特殊な例でなくビッグスリーと日本メーカーが、同じ部品メーカーや販売会社に依存するケースは極めて多い。特に「米国依存度の高いトヨタやホンダのダメージが大きい」(業界筋)とされる。ボルト1本欠ければ自動車は作れないだけに、日本メーカーはひと安心といったところだ。
むしろ、日本メーカーが危惧(きぐ)するのは1990年代に起こったような貿易摩擦や「日本たたき」のように米国で再び保護主義が台頭することだ。福井社長は「適正な競争を欠くような不公正な支援であってはならない」とクギを刺すほか、日産自動車のカルロス・ゴーン社長も米国に加え、仏独政府が自動車業界への支援に動き出しことにについて、「日本でも同様に対応してほしい」と不公平感を募らせている。
一時的とはいえ、米政府が瀬戸際のビッグスリーを支援したことで、今後も追加的な救済策が浮上してくるだろう。年明けにはオバマ民主党政権が誕生し、その流れは加速しそうだ。日本メーカーからは「米政府が外国車の緊急輸入制限など強攻策に打って出る可能性もある」(大手幹部)との見方も出始めている。
(田端素央)